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口頭

Cs含有バーミキュライトの放射光光電子分光における表面電荷変調効果

寺岡 有殿; 岩井 優太郎*; 岡田 隆太; 吉越 章隆

no journal, , 

福島第一原子力発電所から放出された$$^{137}$$Csの除染が求められ、放射性廃棄物の減容化が急務である。減容化方法の開発に資するため、当研究グループでは、X線光電子分光、X線吸収分光、昇温脱離質量分析などを活用して粘土鉱物に吸着したCsの化学結合状態や熱脱離法の研究を行っている。本発表ではバーミキュライトに吸着したCsの化学結合状態の分析に放射光光電子分光法を適用する際の中和電子銃による表面電荷変調の効果について述べる。実験はSPring-8の原子力機構専用ビームライン:BL23SUの表面化学実験ステーションで行った。試料は福島県産バーミキュライトに非放射性CsCl水溶液でCsを吸着させたものと市販のCs化合物を用いた。CsClO$$_{4}$$のオージェパラメータがバーミキュライトに吸着したCsのそれに近いことから、バーミキュライトに吸着したCsもO原子との相互作用が主であると推定した。中和電子銃による表面電荷変調によって帯電緩和したCsは、風化してできた広いケイ酸塩層の間の水和Csに由来すると推測した。一方、帯電しないCsは狭いケイ酸塩層の間に入り込み、OやSi原子と共有結合性を持つと推測した。

口頭

A Composite-type optical fiberscope system with hybrid functions of diagnosis and medical treatment

岡 潔; 関 健史*

no journal, , 

原子力機構において技術開発を進めてきた複合型光ファイバは、高エネルギーと映像情報の両方を扱うことができる特殊なファイバである。この複合型光ファイバは、核融合炉及び大型原子力施設における保守保全技術開発に役立つ特殊ツールとして誕生した。原子炉内部の燃料集合体や熱交換器の伝熱配管など、本ファイバが役立つ狭隘箇所は数多くある。本技術は汎用性が高いため、現在では、種々の計測機器と統合された診断治療機器として医療分野への応用を積極的に推進中である。本報では、複合型光ファイバの基本構造及び医療分野への応用例について紹介する。

口頭

PHITSと多重有感領域モデルを用いたソフトエラー発生率解析

安部 晋一郎; 佐藤 達彦

no journal, , 

放射線により半導体デバイスに付与された電荷がある閾値以上で記憶ノードに収集された場合、機器に誤動作が生じる。この現象はソフトエラーと呼ばれ、地上では二次宇宙線中性子が主因の一つとなっている。機器の誤動作は人的・経済的被害に繋がる恐れがあるため、半導体デバイスの設計段階でソフトエラー発生率(SER: Soft Error Rate)を評価することが重要となる。過去に構築したマルチスケールモンテカルロシミュレーション手法PHYSERDは、電荷収集過程を詳細に解析できるが長時間の計算を要する。一方、半導体デバイス内に定義した有感領域(SV: Sensitive Volume)への付与電荷量から収集電荷量を算出するSVモデル等を用いた場合、計算時間を短縮できる。本研究では、PHITSと多重SVモデルを用いた二次宇宙線中性子起因SER計算を実施し、PHYSERDおよび単純SVモデルによる結果と比較検証した。その結果、多重SVモデルによるSER概算値はPHYSERDの結果とよい一致を示した。また中性子入射イベント毎の収集電荷量を比較し、多重SVモデルを用いて電荷収集効率の位置依存性を考慮することがSER概算精度の向上に繋がることを実証した。

口頭

接触型回折格子法による高強度テラヘルツ光の発生

坪内 雅明; 永島 圭介; 吉田 芙美子; 越智 義浩; 圓山 桃子

no journal, , 

現在、テラヘルツ(THz)光による分子回転の制御、特に分子空間配向の実現を目指して高強度THz光源の開発を行っている。高強度THz光発生では、波面傾斜された近赤外励起光をMg-sLiNbO$$_{3}$$結晶に照射する手法が主に用いられている。Heblingらは高い効率で高強度THz光を発生するための諸条件を計算し、400fs-1ps程度の比較的長いパルス幅を持つ近赤外励起光源の優位性を示した。このようなパルス幅を有する高強度近赤外光発生にはYb:YAG結晶の利用が考えられるが、彼らは繰り返し周波数10Hzの再生増幅器により200mJの励起光源を得、125$$mu$$Jという超高強度THz光発生に成功した。我々は高強度THzパルス光を分子制御へ応用することを考慮し、高繰り返し(1kHz)高強度近赤外励起光源を開発し、高強度THz光を発生することを試みた。

口頭

分子線を利用した表面反応研究の進歩

寺岡 有殿

no journal, , 

分子線技術は真空技術の発展とともに進歩してきた。レーザー分子分光学や気相での化学反応動力学の研究に利用されてきた。表面反応研究では表面分析が中心になるので分子線を適用することは困難であった。しかし、挿入光源から放射される強力なシンクロトロン放射光が使えるようになって状況は一変した。超高真空装置に分光放射光と分子線を同時に導入することによってリアルタイムその場光電子分光測定が可能になり、材料表面が時々刻々化学変化していく様子を光電子スペクトルの変化として動的に観察できるようになり、同時にそれに対する分子の並進運動エネルギーや振動エネルギーの影響も研究できるようになった。近年では入射分子の分子軸の向きや回転面を制御した分子線と表面との反応過程も研究されるようになっている。本シンポジウムでは様々な原子・分子線技術や理論的な反応ダイナミクス研究手法を専門家に解説していただき、それらを用いた表面反応の研究例をご紹介いただく。

口頭

動的Franz-Keldysh効果の時間分解理論及び第一原理計算

乙部 智仁; 篠原 康*; 佐藤 駿丞*; 矢花 一浩; Bertsch, G. F.*

no journal, , 

本研究では、強い周期的電場に曝された誘電体の代表的な光物性変化であり、超高速な光スイッチに繋がる現象としても注目されている、動的Franz-Keldysh効果(DFKE)の解明を目指している。DFKEに対する理論研究は過去幾つか報告されているが、時間分解分光による誘電関数の時間変化を扱えるものは未だない状況である。我々は二つのアプローチからDFKEの理論研究を行った。まず一つ目に、時間依存密度汎関数法(TDDFT)に基づいた第一原理シミュレーションによるダイアモンドの中赤外光Pump-紫外光Probe数値実験を行った。その結果、Pump光の比較的弱いときにはDFKEによる物性変化の時間変化と、光電場の位相が大きくずれており、Pump光強度を増大させるに従って位相は一致して行くことが分かった。次に我々は、このようなPump-Probe実験に対応した誘電関数を計算する解析的理論を、Houston関数とパラボリックバンドを仮定して構築した。その結果、上記の第一原理シミュレーション結果を定性的に再現することができた。

口頭

4H-SiCショットキーダイオードにおけるイオン誘起破壊前兆現象メカニズムの検討

牧野 高紘; 出来 真斗*; 小野田 忍; 星乃 紀博*; 土田 秀一*; 大島 武

no journal, , 

SiCデバイスのイオン誘起破壊現象の耐性強化技術の開発に向け、30$$mu$$mのエピタキシャル層を持つSiCショットキーダイオード(SBD)へ、SiC中での飛程が異なる2種類の重イオン(18及び27$$mu$$m)を照射し、SBDの収集電荷を評価した。具体的には、重イオン照射中に、SBDは逆方向バイアスを徐々に増加させ、収集される電荷をチャージアンプで測定した。その結果、飛程が長いイオンを照射した場合、印加電圧400V以上の条件において、イオンがSBD内に生成する電荷量を越えた電荷収集が確認された。一方、飛程が短いイオンを照射した場合、印加電圧400V以上となってもイオンがSBD内に生成する電荷量を越えた電荷収集は確認されなかった。この過剰収集の原因として、イオンの飛程とエピタキシャル層厚に関係があると予想し、エピタキシャル層厚の異なる(25及び69$$mu$$m)SBDへ、飛程が長いイオン(27$$mu$$m)を照射し、収集電荷測定を行った。その結果、イオンの飛程に対してエピタキシャル層が十分に厚い69$$mu$$mの場合は過剰収集が発生せず、エピタキシャル層が同等の25$$mu$$mの場合のみ過剰収集が確認された。このことより、予想どおり電荷の過剰収集においてイオンの飛程とエピタキシャル層厚の関係が重要であると結論できた。

口頭

スパッタエッチングによるMg$$_{2}$$Si結晶中のAg熱拡散深さの評価

堀 信彦*; 江坂 文孝; 鵜殿 治彦*

no journal, , 

マグネシウムシリサイドは室温において約0.6eVのバンドギャップエネルギーを持つ間接遷移型半導体であり、約4.0$$mu$$mまでの赤外波長域で利用できる受光素子への応用が期待できる。本研究では、n型Mg$$_{2}$$Si基板にAgをp型不純物として熱拡散させ、スパッタエッチング法によりAg拡散深さを簡易に評価する方法について検討を行った。実験では、素子表面を斜め研磨し、斜め研磨面に対してAr$$^{+}$$スパッタエッチングを行った。その後、光学顕微鏡でスパッタ面を観察し、Ag拡散深さを評価した。その結果、Ag拡散層と基板との間に明暗のコントラストが観察され、550$$^{circ}$$Cで3分間の熱拡散を行った試料で、Agの拡散深さを約36$$mu$$mと見積もることができた。

口頭

アルファ粒子誘起過渡電荷を用いた4H-SiCショットキーバリアダイオード中の欠陥評価

神林 佑哉; 小野田 忍; 加田 渉*; 牧野 高紘; 星乃 紀博*; 土田 秀一*; 大島 武; 神谷 富裕; 花泉 修*

no journal, , 

半導体デバイス中に発生する照射欠陥の評価技術として開発を進めているアルファ線誘起電荷スペクトロスコピー(APQTS)評価装置の改良を行うとともに、その装置を用いて電子線や陽子線照射により六方晶炭化ケイ素(4H-SiC)を用いたショットキーダイオード(SBD)型粒子検出器に発生する欠陥を調べた。評価装置の改良としては、従来の試料が固定されたチップキャリアを冷却・加熱する方式から、試料を直接冷却・加熱ホルダーに固定する方式へとすることで、200K$$sim$$600Kであった測定温度範囲を100K$$sim$$600Kとした。この装置を用いて、1MeV電子線, 3MeV陽子線を照射することで電荷収集効率を低下させた4H-SiC SBDのAPQTS評価を行った。その結果、350K付近にAPQTSスペクトルのピークが観測され、このピークをアレニウスプロットすることで活性化エネルギーを求めたところ0.55eVであることが判明した。この欠陥ピークが室温付近で観測されること、0.55eVと深い準位であることから、この欠陥の発生により4H-SiC SBDの粒子検出特性が低下すると結論できた。

口頭

高エネルギー重イオン照射により形成されたダイヤモンド中のイオン飛跡の検出

春山 盛善; 小野田 忍; 磯谷 順一*; 加田 渉*; 花泉 修*; 大島 武

no journal, , 

ダイヤモンド中のNV(窒素-空孔)欠陥は、非常高い輝度で発光することが知られている。この特徴を活かして、本研究ではダイヤモンドを蛍光飛跡検出器として応用する可能性を検討するため、ダイヤモンド中の高エネルギー重イオンの飛跡を検出することを試みた。まず、高温高圧法により合成されたダイヤモンドに対してOsイオン(490MeV)を照射し、その後、1000$$^{circ}$$Cでの熱処理を行った。イオン飛跡の観察には自作した共焦点レーザー走査型蛍光顕微鏡を用いた結果、Osイオンの飛跡に沿ってNV欠陥に起因する発光が検出された。照射したOsイオンの数と検出された発光の数が同程度であったことやフォトルミネッセンススペクトルから、NV欠陥を利用したイオン飛跡の検出に成功したと結論できる。

口頭

ダイヤモンドショットキバリアダイオードを用いた高エネルギー荷電粒子の検出

小野田 忍; 神林 佑哉; 加田 渉*; 岩本 直也*; 牧野 高紘; 梅沢 仁*; 杢野 由明*; 鹿田 真一*; 花泉 修*; 神谷 富裕; et al.

no journal, , 

高エネルギー物理学などの粒子加速器を用いた科学実験において、粒子検出器は必要不可欠な存在である。近年、加速器の大強度化に伴い、検出器がさらされる放射線環境はさらに厳しいものとなっている。そのような中、ダイヤモンドはその優れた耐放射線性を根拠に、シリコン(Si)検出器に代わる粒子検出器材料として期待されている。本研究では、p型単結晶ダイヤモンドの縦型ショットキバリアダイオード(SBD)を作製し、高エネルギー粒子に対する検出応答特性を調べた。サイクロトロンからの高エネルギー荷電粒子(Ne-74MeV, Ar-150MeV, Kr-322MeV, Xe-454MeV)を照射した結果、低チャンネル側にノイズがあるものの、照射した全てのイオンのエネルギースペクトルを取得することに成功した。ただし、Kr-322MeVやXe-454MeVといった非常に高密度の電子正孔対を生成するイオン入射の場合では、シリコンSBD検出器でも報告されているパルス波高欠損が発現することを確認した。

口頭

ダイヤモンドへの低エネルギーSiイオン注入におけるSi-Vセンタ生成収率の評価

田村 崇人*; 小池 悟大*; 寺地 徳之*; 小野田 忍; McGuinness, L.*; Rogers, L.*; Christoph, M.*; Naydenov, B.*; Wu, E.*; Yan, L.*; et al.

no journal, , 

量子情報通信において重要な要素技術の1つである単一光子源として知られているシリコンと原子空孔からなるSiVセンターの生成収率を調べた。以前の研究で、60keVの低エネルギーSiイオンをスポット状に集束させてダイヤモンドに注入することで、SiVセンターの配列を作製することが可能であることを見出している。本研究では、1スポットあたりの注入イオン数を減らしていき、たった1つのSiVセンターを作製するための最小イオン注入量を求め、SiVセンターの収率を調べた。その結果、60keVの低エネルギーSiイオン注入の場合、SiVセンターが形成される収率が15%であることが分かった。

口頭

Magnetotransport properties of vertical spin valves of graphene/cobalt junctions

圓谷 志郎; 楢本 洋*; 境 誠司

no journal, , 

In this work, magnetotransport properties of graphene spin valves were investigated for the vertical Co/graphene/Co devices with a current-perpendicular-to-plane configuration. The devices were fabricated by inserting layer-controlled graphene, which were grown by chemical vapor deposition, between two ferromagnetic electrodes of Co thin films. Linear current-voltage characteristics were observed for all the devices with different layer numbers of graphene, indicating that Ohmic transport in graphene is dominating rather than tunneling transport. A positive MR was commonly observed for a series of the Co/graphene/Co devices at room temperature. The MR ratios were 0.1-0.2% and 0.7-0.8% for the single-layer graphene and tri-layer graphene devices, respectively. Our previous Raman analyses demonstrated that the chemical interactions between grapehene and Co at the graphene/Co interfaces are different depending on the layer number of graphene, and those at the single-layer graphene/Co interface are much stronger than those at the multi-layer graphene/Co interfaces. It is reasonably speculated that the spin injection and ejection efficiencies are reduced in the single-layer graphene device involved with the strong chemical interactions which could modify the electronic states of graphene and Co around the Fermi level, significantly different from the pristine states ideal for the spin filtering.

口頭

イオンビームスパッタ蒸着法によるEr$$_{2}$$O$$_{3}$$高配向薄膜の作製

藤田 将弥*; 山口 憲司; 朝岡 秀人; Mao, W.*; 近田 拓未*; 鈴木 晶大*; 寺井 隆幸*

no journal, , 

Er$$_{2}$$O$$_{3}$$は、高温で安定かつ耐食性や絶縁性に優れ、核融合炉において、三重水素の拡散透過を抑制するための配管被覆用材料等として研究が進められている。従来のプラズマPVD法等で作製した1$$mu$$mほどの厚さのEr$$_{2}$$O$$_{3}$$膜の研究において、三重水素は膜中の細孔や結晶粒界を通して透過していくことが示唆されている。透過メカニズムの解明及び格段の透過抑制を図るため、Er$$_{2}$$O$$_{3}$$膜中の結晶粒界を制御した膜の作製が期待されている。本研究は、$$beta$$-FeSi$$_{2}$$の高品位膜の作製に成功した実績を有するイオンビームスパッタ蒸着(IBSD)法を用い、配向性の高い連続したEr$$_{2}$$O$$_{3}$$単結晶膜の作製条件の探索を目的としている。その結果、973Kで蒸着を行った場合、蒸着後に973Kを保ったまま加熱を継続することで配向性が良くなることが分かった。さらに、加熱を継続する時間に注目すると、加熱時間が長くなるほど配向性が良くなることが分かった。

口頭

リチウムK発光高感度分光計測のための軟X線高効率回折格子の設計

小池 雅人; 今園 孝志; 小枝 勝*; 長野 哲也*; 笹井 浩行*; 大上 裕紀*; 米澤 善央*; 倉本 智史*; 寺内 正己*; 高橋 秀之*; et al.

no journal, , 

本研究では、電子顕微鏡に搭載した平面結像回折格子分光器で高感度Li-Kスペクトル計測を実現するために、標準的な表面物質であるAu膜の上に高密度ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜(密度: 3.1g/cm$$^{3}$$)を付加し、回折効率の向上を目指したAu/DLC多層膜回折格子の設計を行った。ラミナー型回折格子(刻線密度: 1200本/mm、デューティ比: 0.3、溝深さ: 25nm、基板: SiO$$_{2}$$)の表面物質がAu及びAu/DLCである場合を考えた。入射角が80$$^{circ}$$のときの回折効率(1次光)の波長依存性を調べた結果、Au/DLC多層膜回折格子の回折効率は、Au回折格子に比較してLi-K線付近で約1.4倍になるだけでなく、20$$sim$$190eVに渡る幅広い領域で高い回折効率を示すことが分かった。

口頭

Ge/Si(111)ヘテロエピタキシャル成長過程におけるSi(111)7$$times$$7表面再構成ストレスのその場観察

魚住 雄輝; 山崎 竜也*; 朝岡 秀人

no journal, , 

Si(111)表面ではダイマーやアドアトム形成により表面エネルギーが減少した再構成構造を形成し、バルクと異なる表面特有のストレスを有することがD.Vanderbiltらによる理論計算によって示されている。我々は、Si(111)7$$times$$7および水素終端処理を施したH-Si(111)1$$times$$1にGeをヘテロエピタキシャル成長させ、反射高速電子回折(RHEED)法と、表面ストレス測定(MOS)法を用いて再構成構造ストレスのその場観察を試みた。両者の再構成構造形成時のストレス差より、Si(111)7$$times$$7再構成構造形成時の表面ストレス値(1.6N/m)を実験的に観測することに成功し、その値は計算値とも良い一致を示した。

口頭

回転核磁気共鳴におけるベリー位相

針井 一哉; 中堂 博之; 小野 正雄; 松尾 衛; 家田 淳一; 岡安 悟; 安岡 弘志; 前川 禎通; 齊藤 英治

no journal, , 

スピン角運動量を持つ物体を力学的に回転させるとスピン-回転相互作用と呼ばれる相互作用が生じる。この相互作用は有効磁場とみなすことができる。このことを使って近年、固体中の核スピンに働くスピン-回転相互作用を磁気共鳴の周波数シフトによってとらえることに初めて成功した。この系ではさらに、回転軸を印加磁場軸から傾けることで試料からみた印加磁場が回転的に時間変化する状態を作り出すことができる。その結果、固有状態の時間変化を通じたベリー位相が共鳴周波数のシフトを引き起こす。スピン-回転相互作用とベリー位相の両者が関与した核磁気共鳴周波数のシフトに関する理論ならびに実験を報告する。

口頭

SiC中の単一発光源となる欠陥の探索

大島 武; 小野田 忍; 牧野 高紘; 岩本 直也*; Johnson, B. C.*; Lohrmann, A.*; Karle, T.*; McCallum, J. C.*; Castelletto, S.*; 梅田 享英*; et al.

no journal, , 

固体中の単一発光源(SPS)の有するスピンや発光を制御することで、量子コンピューティングやフォトニクスを実現しようという試みが行われている。本研究ではSiCを母材としたSPSの探索を行った。半絶縁性(SI)六方晶(4H)SiC基板に室温にて2MeVのエネルギーの電子線照射後、Ar中、30分間の熱処理を行った。室温又は低温におけるフォトルミネッセンス(PL)測定及び室温における共焦点蛍光顕微鏡(CFM)を用いたアンチバンチング測定によりSPSを探索した。1$$times$$10$$^{17}$$/cm$$^{2}$$の電子線照射後に300$$^{circ}$$Cで熱処理を行った試料に対して80KでのPL測定を行ったところ、850$$sim$$950nm付近にSi空孔が起因のVラインと呼ばれるPL発光が、650$$sim$$700nm付近にC$$_{Si}$$V$$_{C}$$起因のABラインと呼ばれる二種類のPL発光が観測された。ABラインの発光を有する欠陥中心に対して、CFMを用いて室温でアンチバンチグ測定を行った結果、C$$_{Si}$$V$$_{C}$$が単一発光源であることが判明した。また、これまでSteedsらによりABラインは中性のC$$_{Si}$$V$$_{C}$$と主張されていたが、ab initio計算から、この波長領域にPL発光を持つためには正に帯電しているC$$_{Si}$$V$$_{C}$$であるという結果を得た。

口頭

格子不整合系逆成長3接合太陽電池を構成するサブセルの電子線と陽子線に対する放射線耐性の比較

今泉 充*; 中村 徹哉*; 大島 武

no journal, , 

次世代の宇宙用太陽電池としてInGaP/GaAs/InGaAs構造を有する格子不整合型逆方向成長三接合太陽電池の開発を進めている。この太陽電池は、現在主流のInGaP/GaAs/Ge型格子整合系三接合太陽電池よりも高効率が期待され、更に、軽量でフレキシブルという特長を持つ。この太陽電池を設計するには、各構成サブセルであるInGaP, GaAs, InGaAs太陽電池の放射線劣化特性の把握が必要となる。InGaPおよびGaAsについては現三接合太陽電池と同一であるが、InGaAsについては新規材料であるため耐放射線性が明らかでない。そこで、InGaP, GaAs, InGaAsのp/n構造単一接合太陽電池を作製し、それぞれに10MeV陽子線および1MeV電子線を照射することで劣化を比較した。その結果、短絡電流の耐放射線性に関しては、InGaP, GaAs, InGaAsの順であることが判明した。また、10MeV陽子線と1MeV電子線照射に対する劣化を比較すると、InGaPは若干であるが電子線に対しての耐性が高く、GaAsは有意差がない、InGaAsは電子線による劣化の方が陽子線に比べ明らかに大きいことが見出された。一方、開放電圧の劣化においては、InGaAsは陽子線と電子線でほとんど劣化量に差がなかったのに対し、InGaP及びGaAsでは陽子線による劣化が電子線より大きい傾向が確認された。

口頭

$$gamma$$線照射したSiC-MOSFETの特性の安定性

横関 貴史; 牧野 高紘; 阿部 浩之; 小野田 忍; 大島 武; 田中 雄季*; 神取 幹郎*; 吉江 徹*; 土方 泰斗*

no journal, , 

原子力用の耐放射線性半導体デバイスの開発に資するため、炭化ケイ素(SiC)金属-酸化膜-半導体(MOS)電界効果トランジスタ(FET)の$$gamma$$線照射による劣化特性や、照射後の劣化特性の安定性について調べた。実験には六方晶(4H)SiC MOSFETと比較のシリコン(Si)MOSFETを用い、1.2MGyまで$$gamma$$線照射を行い、その後、室温から360$$^{circ}$$Cまでの熱処理を行った。その結果、1.2MGy照射後にSiC MOSFETのしきい値電圧(V$$_{th}$$)は初期値に対して3Vマイナス側にシフトしたのに対し、Si MOSFETのV$$_{th}$$は20V程度マイナス側にシフトすることが判明した。また、照射後、Si MOSFETは室温においても劣化特性が回復するが、SiC MOSFETは室温では回復が見られず、120$$^{circ}$$C以上の熱処理で顕著な回復が見られることが判明した。360$$^{circ}$$Cの熱処理後にはSiC及びSi MOSFETは、それぞれ、未照射の91%及び97%まで回復を示した。このことからSiCとSiでは$$gamma$$線照射により酸化膜及び酸化膜と半導体界面に発生する欠陥の種類が異なり、SiCの方が熱的に安定であると結論できる。

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